三万円の不思議な薬 3話

「え…ちょっと、何でそんなこと言うの?私はみかが喜んでくれるかと思ったのに。私が画力が上がって上手い絵を描けばみかは本心から喜んでくれると思ったのに!!」

「でも…この画力の上がり方は変だよ。ゆりちゃん、何があったの?!」

悲しそうに質問する友達に女の子は正直に三万円の薬の話をしました。すると友達は更に悲しそうな顔をした。

「そんな画力、手にいれて本当に嬉しいの?画力は自分の力で手にいれてこそ嬉しいものじゃないの?!」

「みかになんてわかんないわよ。私の気持ちなんて。自分より画力が劣る私を同情して哀れんでうわべだけの褒め言葉並べてればいい絵の才能あるみかになんて…」

「酷い…練習しないで上手くなれるわけないじゃない…失礼だよ…ゆりちゃんのばかっっお金かけて練習しないで得た画力が嬉しいなんておかしいよ!!」

友達は女の子に背を向け、怒って帰って行きました。

でも、女の子はとどまらなかった。

薬を売ってくれたおばさんのいた公園へ行きおばさんにもっと自分に薬を売ってもらうようにたのみました。

「お金を出すからもっと薬を売ってください。」

「いいけど…払えるのかい?」

「払えます!買えるだけ買います!!」

女の子は薬を買えるだけ買い、効果があることを信じて飲み干した。

すると画力は更に向上し、漫画書けるようになりました。デジタル絵も書けるようになりました。

投げ出してたSAIやペンタブを思いのまま操れるようになりました。

アナログもデジタルも思いのままになった彼女は笑いが更に止まらなくなりました。

pixivでの評価は更に上がり人気になり、女の子は笑いが止まらなくなり更にコミケに応募したらコミケにも受かりました。

想像通り、いや、想像以上のものが書けるようになり漫画をさかさかとかけてオフセット本も作れてコミケに参加したら面白いほど本は売れて完売してしまいました。

もっと本を売ってくれというファンや絵を描いてくれというファンが沢山現れて女の子はとうとう天狗になってしまいました。

女の子は同人誌で稼いだ金で更に薬を買い込んで絵を描き続けました。

女の子は薬で得た地位や名声に溺れて行き、みかという友達は女の子からどんどん離れて行きました。


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