三万円の不思議な薬2
不思議なおばさんから、三万円の不思議な薬を手に入れた女の子は、家に帰ってから沢山絵を描きました。
面白い程にこれまで描けなかった難しい構図やポーズがスラスラと描けました。表情も髪の毛の流れも動きも思いのままです。
嫌いで書かなかった背景も、パースが狂っていない写実的なものが描けました。
頭で思い描くものがすべて思いのままでした。
描く度に笑いが止まらなくなった女の子は、上手く使えないからと投げ出して放置してたコピックと、漫画用のつけぺんを思い出したように取り出しました。
つけぺんは、女の子が薬を手に入れる前、インクが飛び散るから、インクが余分に出るから嫌だと投げ出した物でした。
しかし、薬の力を手に入れてつけぺんを使えば、線が思い通りに引くことが出来ました。
コピックは、女の子が薬の力を手に入れる前、友達のコピックの着色に憧れて買ったものの、滲むから嫌と途中で投げ出したものでした。
しかし、薬の力を手に入れてコピックを使えば、一切滲むこともなく、漫画家のような着色ができました。
女の子は、出来た絵をみて更に笑いが止まらなくなりました。
これはぴくし部に投稿するしかないと考えた女の子は、描いた絵すべてをぴくし部に投稿しました。
薬を使う前では取れる事のなかった閲覧数を、短時間で得る事が出来、薬を使う前は取れなかった200点以上の評価も短時間で取ることが出来ました。沢山ブクマやお気に入り登録してくれる人も現れてくれました。
女の子は笑いが更に止まらなくなりました。
こんな素敵な絵をあげれば、友達に申し訳ないという気持ちは無くなる。
きっと、絶対に、こんな画力なら心から友達は喜んでくれる。
心の底からそう想いました。
しかし、友達とのお絵描き大会で友達に薬の力で描いた絵をみせると、友達の反応は意外なものでした。
『ちょっと・・・これ、ホントにゆりちゃんの絵なの!?』
友達は薬の力で描いた女の子の絵に対して、驚くと同時にとても悲しそうにしてました。
女の子にありがとうと言ってくれる事はありませんでした。
続く